ビジネスシミュレーション(2019年度)


■授業紹介
立教MBAの特徴である必修授業、ビジネスシミュレーション。
私が立教大学大学院ビジネスデザイン研究科に入学した理由の一つでもあります。
秋学期の半年間にわたるこの授業はビジネスゲーム(前半)・ビジネスプラン(後半)に分かれています。

■前半
ビジネスゲーム
■内容
仮想エリアにおける仮想環境下での経営ゲーム
与えられた条件の下で経営意思決定を行うことを通じてチーム分け:1チーム(3~5名)の5チームに分かれ、経営の業績を競います。
■進め方
春学期中に受講する曜日が発表される(火曜夜・金曜夜・土曜午前・土曜午後の4クラス)
※必修授業なので全員が振り分けられます。
春学期終了後のガイダンスでそれぞれのクラス内でチーム分け発表。
夏休み中にチーム員にて役割分担(CEO/CFOなど)会社名・理念・ビジョンなどの策定。
あらかじめ定められた環境を元に授業中で経営戦略を発表。
その後に、成績(売上)と経営環境・条件の変化が発表され、次回授業までにそれに応じた戦略の策定・発表の繰り返し。
1回の授業で1月(1会計年度)経過し、6回(6会計年度)にわたって展開、7回目の最後の授業は各チームの振返り発表。

■感想
夏にキックオフミーティングを行い、財務諸表は業務で携わっているのでCFOではなくCOOを仰せつかり、営業・販売戦略担当となりました。
ビジョンはボールペン販売を通じて手書きの良さを広める事と設定。
ビジョン浸透のためには事業継続が必要で他チームとの競争に勝つ必要があり、市場環境だけでなく他チームの営業戦略も想定したうえでエリアを絞った差別化戦略を毎回策定。
環境分析・販促計画・受注予測・生産計画・月次の財務諸表・保有現金予測を毎回の授業で発表し、ビジネススクールに入ったからにはとチーム員皆の経験のためにプレゼンは代表者1名のみで持ち回りで行う形にしました。
結果として6期連続黒字かつ6期連続キャッシュ増という結果で終わる事が出来、チームとしてもCOOとしてはまずまずだったでしょうか。
しかしながら、他チームからは当チームに対して「安定」「堅実」だけでなく、「面白くない」という声を頂いてしまった。
経営は面白くする必要があるか?と反論をしたが、ゲームだから面白くしたい気持ちがあったのは事実。
次回、同じようなゲームに参加する機会があれば大胆な戦略をとってみたい。

■後半
ビジネスプラン
■内容
SDGsをテーマとしたビジネスプランの作成
■進め方
特に指示はなく、毎週チーム内の進捗発表し最終授業前がリハーサル、最終授業で外部の方を前にプレゼンを行う。
チーム分けはビジネスゲーム終了後、全員でくじ引きを行い別メンバーにて再結成(再結成したのは私の参加したクラスだけだった模様)
■進め方
まずはチームメンバーそれぞれがプランを持ち寄り、授業内でプレゼン。他チームの皆さんの投票でプラン一つに絞る。
その後はビジネスモデルと資金調達・収益面で深堀し最終発表。
■感想
ビジネスプランは業務上作成することが多いので慣れてはいたが、SDGsを強く意識すればするほど収益面で苦しくなるという二律背反する部分が難しい。

■この授業の魅力・学んだこと
財務諸表作成や売上と在庫と利益のバランスの関係の知識、事業戦略立案のための外部環境分析や販売・生産計画作成経験、どういったビジョンでどんな指標で経営判断を下していくかのプロセスをバーチャル環境で経験できる授業。いずれも自身の知識や経験が薄い部分を見つける事が出来ます。
何よりも、チーム員からも学ぶことに加え、他チームのビジョン・経営戦略・思考・人となりから学ぶことも多かった。
ビジネスゲームでは「借入れはしない」というルールをわざと守らないチーム、ビジョン経営で開発を重視するチーム、そして皆のプレゼンの上手さ。
チーム運営においてはもちろん様々意見の違いはあれど、皆大人なので大きなコンフリクトはなく最終授業までたどり着けました。
ビジネスプランでは毎回の授業で時には忌憚なく厳しい意見を他チームから貰うことで、プランのブラッシュアップに役立ち実現可能なプランを作り上げられたと思います。
この授業は同チームのメンバーと仲良くなる、とよく言われましたが、私が受講した曜日のクラスはチームどころかクラス全体でまとまりがあり本当に仲良くなりました。
中間でのチーム変更も多様な価値観に触れる機会がさらに増えたのでメリットが多く、個性的で刺激的なメンバーが多いクラスで受講出来てよかったと思います。



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<レポータ 自己紹介>
H.M 博士課程前期課程2年目
精密機器メーカーにて開発部の管理職をつとめる。
自身の市場価値の把握・向上と将来のキャリアプランを鑑みてビジネススクール入学。
立教MBAにした理由は、昔、通っていた知人から授業・ゼミの様子を聞き(特にビジネスシミュレーションとリーダーシップ論)入学後のイメージが具体化できたことが大きな理由。
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留学生とチームを組むこと

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8月になると立教大学ビジネスデザイン学科では、恒例のビジネスシミュレーションの授業に向けて準備が開始されます。この授業は必修の授業で、全員が履修して単位を取得しなくてはなりません。私を含む多くの卒業生が一番思い出深い授業としてビジネスシミュレーションを挙げます。この授業については、かつていくつか記事があがっているので以下のリンクをご覧ください。

 ビジネスシミュレーションの記事一覧

■ビジネスシミュレーションと留学生
今回はビジネスシミュレーションにおける海外留学生との共同作業にスポットを当ててお話しします。ご存じの通り、立教大学ビジネスデザイン研究科には多くの留学生がおり、それが本学科の多様性を生む特徴にもなっています。ですが、ビジネスシミュレーションの授業では、数人がグループを組んで課題に取り組まなくてはならないので、日本人と留学生の間の言語の問題や、考え方の違いなどが浮き彫りになることがあります。ですが、留学生の皆さんも日本人の皆さんも、是非積極的にチーム内で交流して欲しいと思っています。

私自身、新卒で入社した米系コンサルティングファームで3か月のフロリダ研修があり、そこには世界各国から様々な人材が集まってチームを組み、グループ学習に取り組みました。私は日本人にしてはそこそこ英語はできる方ではありましたが、留学経験もなく、やはり言語の面で苦労しました。そんな時に、同じチームにいたJoeという同期生が、私が少しでもわからないことがあると、丁寧に色々と教えてくれ、とても助かったという経験があります。

ですので、私はビジネスシミュレーションの授業では、積極的に留学生を助け、彼らと円滑に共同作業をすることで、今後外国人と一緒に仕事をするための良い経験をさせてもらおうと考えました。実際に2年前の授業の際には前半が「日本人2名・中国人2名」、後半は「日本人2名・中国人4名」という構成になりました。留学生については、「来る者は拒まず」という理念のもとでやっていたので、私のチームには特に中国人留学生が多くなりました。周りのチームからは「大丈夫か?」と心配されましたが、実際はとても充実した授業を送ることができました。

■留学生の実力をいかに引き出すか
留学生の能力を花開かせることができるかどうかは、各チームのリーダーの力にかかっています。とにかくリーダーは彼らを信じ、彼らのやる気に火をつける努力を怠ってはなりません。一番いけないのは、留学生に無関心であったり、日本人だけで物事を進めようとすることです。もちろん留学生も自分たちで固まって、その中に閉じこもってはいけません。積極的に重要な役割を買って出なくてはなりませんし、任務を与えられたなら期待に応えるように努力しなくてはいけないでしょう。

ビジネスシミュレーションの授業の前半では、毎回経営の意思決定を学ぶためのビジネスゲームに取り組みます。これは財務会計・管理会計・ファイナンスなどのベース知識が必要です。こうした分野は、今後留学生がどんな業界や分野に行っても必ず役に立つスキルとなるので、経験者は懇切丁寧に、「ゲームの内容・その前提条件」を解説してあげて、その上で「どんな戦略を取るべきか」、「結果がどうであって、よって次に何をすべきか」のコンセンサスを取るようにしていきましょう。

会計やファイナンスに明るくない留学生がいれば、まずは簡単なところから現状把握や分析をしてもらうようにして、徐々に慣れさせてあげましょう。彼らが出したアウトプットはレビューしてあげて、修正が必要であれば手直ししてあげる。いい加減なものが出てきた場合は、時には叱咤激励しながら最後まで付き合うことが必要です。

私自身、ビジネスシミュレーションの後半では「私1人対留学生4人」でグループワークを進めることが少なくなく、院生棟では侃々諤々の議論をしました。そのときに重要なのは、口だけの空中戦で意思決定を進めていくのではなくて、議論が今どんな構造になっていて、誰と誰の意見が対立しているのか、その中でも共通の認識がどこであって、それ以外の部分についてはどちらを取るべきなのか、「紙にイメージを書きながら進めていく」ことがとても有効です。そうすることで、留学生も日本人も、今の争点はどうなっているかをごまかすことなく話を進めることができるので、しこりが残らなくなるのです。

■全員参加でのぞむ
最後に各授業の後の発表ですが、これも留学生も日本人も全員参加してもらうように御膳立てすることが必要です。チームによっては数人の日本人だけが発表を独占するケースもありましたが、そういうチームはやはり留学生との仲がぎくしゃくしているように見えました。

シミュレーションの最後の授業では、とある大企業の部長に自分たちが考えた提案をプレゼンするということがありました。制限時間が設けられているので、日本人だけでやってしまった方が楽というのもありましたが、私は全員参加にこだわりました。前日には各自に割り振られたページのプレゼンを予行演習してのぞみました。

その中でも一人の留学生が風邪をこじらせてしまい、前日に発熱してしまいました。帰宅すると彼女からメールがきて、「明日のプレゼンはできないかもしれない」という連絡が入りました。普段の私であれば、「それなら私が代わりにやるから休んでいて」というところですが、今回はどうすべきか本当に悩みました。

私は1時間家の風呂に入って悩んだ結果、彼女に電話をし、「日本語で企業の幹部の前でプレゼンするのは留学生活の中でも一番良い経験になると思う。途中で苦しくなったらすぐ代わるから、明日はやっぱりプレゼンして欲しい」と伝えました。彼女からは「頑張る」という返事をもらい、当日は留学生も日本人も全員参加でプレゼンにのぞみました。制限時間もしっかり守り、聴衆からも素晴らしいコメントをもらい、全員がこの授業に真剣にのぞんで良かったと心の底から思いました。

グローバル化が進む今日、立教大学MBAに在籍している大学院生は、多かれ少なかれ外国人とチームを組むことが仕事で出てくるでしょう。ビジネスシミュレーションはそんな未来のあなたにとても良い経験を与えてくれます。ですので、日本人同士・留学生同士固まるのではなく、積極的に日本人と留学生が自由闊達に意見をぶつけ合えるようなチームを作ることが重要であると思います。

■レポーター紹介
  • S.N.(男・30代後半)
  • マネジメントバイアウトファンドやアセットマネジメント会社などで企業に対する投資・事業の再生などに携わる。
  • ファイナンス以外の分野の学生や留学生が多く、ビジネスに必要な幅広い分野の授業を受講できる点を魅力に感じ、2014年4月に立教大学ビジネスデザイン研究科に入学。2016年3月に卒業。


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ビジネスシミュレーションの紹介2(2014年度・秋学期)

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前回書いたビジネスシミュレーションの紹介の第二回を書きます。

■白熱する授業
私たちの代のお題目は「財務体質も業績も悪い体重計メーカーの経営」でした。毎回の授業は次のような流れで行われます。
  1.  授業の後に配布される市場レポートと各社の経営実績を精読して、締め切りまでに自分たちのチームの経営計画シート(何台の体重計を製造するか、営業マンのルート配置をどうするか、従業員を増やすのか、設備投資をするのかなど)を完成させます。
  2. 授業ではプレゼン資料を作成し、なぜそのような経営計画シートにすることにしたのか、自分たちの意思決定のプロセスを説明します。また、それに留まらず、具体的なプロモーション活動の内容や新製品のスペックなどを練って発表します。
  3. 各チームのプレゼンを受けて、他のチームメンバーや教授との間で種々のディスカッションや質疑応答を行い、様々な論点について理解を深めます。

一番白熱するのは3番目のディスカッションと質疑応答です。指導してくださる教授からは、「他のチームに対する一方的な批判やダメ出しは禁止。建設的な議論を行って欲しい」とのルールが示されましたが、最初の頃はどうしても熱い戦いが繰り広げられがちです。

私たちのチームは、前回の記事で書いた通り、「意思決定のプロセスを学ぶ」ということを最重要課題にしていたため、「なぜこの商品ミックスで製造をするのか」であるとか、「なぜこのタイミングで設備投資を行うのか」ということを、できる限り数値分析を中心に行いました。

より具体的に言うと、「全部原価計算と直接原価計算で見たときの意思決定の違い」であるとか、「リソース制約がある中で、どのように商品ミックスを決めるのかというPIC分析」などを他のチームより時間を割いて行いました。

一方で、そうした分析を中心に行っていた関係で、他のチームが深く考えていたセールスプロモーションの内容や、マーケティング施策などはあまり触れることができませんでした。授業の中では、「マーケティングを疎かにしている」という厳しい指摘を受け、それに応える形で「その分、意思決定分析はしっかりやっている」などというやり取りが続くこともありました。

授業の運営について教授に相談したこともありました。仮想の企業であるとはいえ、社長を任されている状況下で、率直な意見を先生方に述べたこともありましたが、先生方全員から大変丁寧なご意見とフォローを頂き、本当に立教大学のMBAに進学して良かったと思いました。

こんな感じで最初の数回はチーム間のやり取りがかみ合わないこともあり、このまま爆発しないでやっていけるかと思うこともありましたが、そうした不安はいつのまにか消えていきました。

それは、各チームがものすごく頑張っており、それが各チームのカラーへと昇華され、結果としてそれが自分たちとは違うことを考えていることに対する敬意や興味にかわって来たからです。

私たちのチームは、通称・「浜辺の兄弟」がいる二つのチームと意見が割れることが多かったのですが、回を重ねるにつれて、「浜辺の弟がこの予算制約の中でこういうプロモーションを編み出すのは凄いな」であるとか、「確かに浜辺の兄貴が言っているマーケティング政策には理があるし、結果としてあっちの方が業績も出ているんだよな」と感心することが多くなっていったのです。

これが立教大学のMBAの最大の特長だと思います。立教大学のMBAには、老若男女国籍も様々なバックグラウンドな人が集まっており、互いに切磋琢磨しながら勉強しています。仮にこの授業が他の大学のファイナンス学科などで行われていたら、私たちのチームのようなアプローチをとる人たちも多かったでしょう。しかし立教のMBAでは、色々な個性を持つ人が実に様々な経営を考えており、結果としてそれが各チームの個性豊かな提案へと実を結んでいったのです。これは本当に勉強になりました。

■授業ではどんなコメントをするべきか
授業でのディスカッションを不毛なたたき合いの場にしないためには、どのようなコメントを心がけるべきでしょうか。この問いに対する正解というものはありません。ですが、参考までに私が気をつけていたことを共有したいと思います。

私は仕事が企業に対する投資や財務分析であるため、そのあたりで他のチームに前向きなコメントができないかをいつも心がけていました。

例えば、意思決定の手法を変えた方が本来そのチームが達成しようとしていることにより近づくのではないかと思った際には、全部原価計算で製品ミックスを決めるのではなくて、直接原価計算でどの製品をどれだけ製造するかを決めた方が良いのではないかという提案をしたりしました。

また、あるチームがポリシーとして掲げている経営方法に対して、モニターしている財務数値が適切でないのではないかと思った時もコメントを行いました。例えば、キャッシュの残高を気にして在庫を増やしたくないと思っているチームが、営業利益の大小ばかりを見ていた時などは、営業キャッシュフローや在庫回転率などをモニターした方が良いことを提案しました。

他には、もう少しリスクを取ってもいいのではないかというようなアドバイスをしたこともあります。例えば、一貫して最終損益が黒字で純資産の額がかなり積みあがっていたチームに対しては、ROEが他のチームに比べて低くなっている点などをコメントし、マーケットが拡大基調にあるのでレバレッジ(借入金)を活用して新規設備投資を行って、新製品の販売で利益を取りに行くことを検討しても良いのではないかなどです。

ビジネスシミュレーションの授業では、様々なバックグラウンド・職種の立教MBA生たちが、様々な提案やアドバイスをしてくれます。これは本当に有意義で楽しい時間でした。ファイナンス系の学生ばかりが集まるMBAでは、ここまでの厚みを授業で出すことはできません。多様な人材が集まる立教のMBAの奥深さを十分に堪能することができます。

次回、最終回として、感銘を受けた先生のお言葉などについて書こうと思います。

■レポーター紹介
  • S.N.(男・30代後半)
  • マネジメントバイアウトファンドやアセットマネジメント会社などで企業に対する投資・事業の再生などに携わる。
  • ファイナンス以外の分野の学生や留学生が多く、ビジネスに必要な幅広い分野の授業を受講できる点を魅力に感じ、2014年4月に立教大学ビジネスデザイン研究科に入学。現在、大学院2年生。


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ビジネスシミュレーションの紹介1(2014年度・秋学期)

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立教大学大学院ビジネスデザイン研究科には、ビジネスシュミレーションと呼ばれる名物授業があります。今日はこのビジネスシュミレーションの紹介を行いたいと思います。長くなりそうなので、数回に分けて記事を書く予定です。

■授業の目的
事業構想を担う創造的人材には、適切な決断を下す能力が求められます。こうした能力は教室での講義で培われるものではないため、院生が仮想企業のトップマネジメントチームとして企業の戦略的意思決定を経験的に修得するのがビジネスシミュレーションです。

■履修する前の不安
このビジネスシュミレーションは4~5名の院生がチームとなり、各人が役割(社長・財務・営業・製造・研究開発等)を担って、仮想企業の経営執行を実施します。毎年チーム間で競争が行われ、学生の間のみならず教授との間でも議論が繰り広げられます。

私は上の代の先輩に色々とヒアリングしたところ、「毎回週末を使って夜の12時過ぎまで話し合った」とか、「チームの中で意見が分かれて激論になった」などという話が出てきて、履修する前は正直不安でした。

ですが、こうした不安は、自分の心の持ちようでいくらでもプラスに転換していくことができることを追ってご紹介します。

■チームメンバーの役割を決める
チームメンバーは運営に携わってくださる先生によって決められます。よって仲の良い学友と組むという仕組みではありません。事前に自分の職種(経営者・営業・マーケティング・財務等)がどのようなものか、学校からアンケートが実施され、メンバーの職種が被りすぎないように配慮がされます。

チームは初回の説明会で発表されます。そして、各チームが夏休み中に自主的に集まり、各人の役割、会社名、会社のミッション・ビジョン・バリューなどを決めます。

私のチームは4名で、うち2名が若い中国人留学生でした。普段、投資ファンドで仕事をしている私は社長に立候補し、PRやマーケティングを専門にしているKさんが財務担当、留学生のLさんが製造、Yさんが営業担当になりました。

ここで重要なことは、社長は立候補で決めるのが一番だということです。履修をしてみて実感したのですが、各チームのカラーは社長によって大きく左右さます。各社がどういう戦略に打って出て、どういう意思決定を下すかは社長次第です。

ですから、社長をじゃんけんや、一番若い人にやってもらうなどという機械的な方法で決めるのは非常にもったいないです。チームの中心をしっかりと据え、最終的に社長が業績その他について責任を負うということをはっきりすることが必要です。

私は社長に立候補した後、以下のような目標を自分の中でたてました。
  • 自分はキャリアの中で比較的慎重な意思決定ばかりしてきたので、今回は成長のチャンスや他社に差をつけるような機会があれば、リスクを積極的に取っていこう。
  • 何でも自分一人でやってしまうことが多かったので、この授業ではメンバーを信頼し、任せるところは思い切り任せ、とは言え投げっぱなしにするのではなく、レビューはしっかりと行おう。
  • 実業の経験が浅い若い中国人留学生が2人チームにいるので、この授業を通して、どんな業界に行ってもある程度共通で役に立つ意思決定の方法を共に学んでいこう。
  • そのために、シミュレーションの前提条件・ルール・各社が置かれた状況・ファイナンスの仕組みなどは、一文一文チームで良く理解してから授業にのぞもう。

■授業が始まる前の事前準備の重要さ
私たちのチームは夏休み期間中、毎週一回集まって、事前に与えられたケースの読み込みを行い、同時に社名、ミッション・ビジョン・バリューの決定をし、財務シミュレーションモデルなどを組んで会社の中期事業計画を練っていきました。これが実はとても重要なことであったのを追って知ることになります。

本学では、岩田松雄先生の「トップマネジメント論」などの授業を通じて、企業のミッション・ビジョン・バリューを深く考えることがいかに大切であるかをよく学びます。そのため、私たちはかなりの時間をこれらの策定に使い、型にはまったような言葉ではなく、自分たちが納得できる具体的な言葉でミッション・ビジョン・バリューを決定しました。

これは今後、毎回の授業で求められる様々な意思決定をする際の礎となるものです。「なぜそういう戦略を取るのか?」、「なぜそういう意思決定を下すのか?」は、全てこの3つに基づいて行うからです。私たちチームは、議論が堂々巡りになった際はいつもこれらを振り返り、自分たちにとって適切な意思決定とは何かを決めていきました。

例えば私たちのチームのビジョン(近い将来なりたい姿)の一部は、「我々は、高品質な計測技術に革新的なデザインを加えて、お客様に一つでも多くの『スマートな生活』を提案します」というものでした。ですので、普段からR&Dの費用は多めにとっており、新製品が投入できそうだという状況があれば、積極的にラインの増設を行ったり、販売価格が不透明な状況でも打診的に新商品の生産を増やしたりしていきました。

当然、こうした意思決定は、「市場全体の需要がどうなるか」、「他社がどのような動きをしてくるか」、「何より自分たちのキャッシュポジションを横で見ると、多少の無理をして設備投資をしても大丈夫か」などという分析と絡めて行います。

何でもかんでもミッション・ビジョン・バリューでこう謳っているからと無謀な意思決定はできません。しかし考えがどんどん煮詰まって、もう二者択一しかないというところまで来たときは、それらに基づいて行動すると成功することが多かったです。仮に失敗しても不必要に狼狽することなく、次への策を冷静に練ることができました。

次回は、実際に授業が始まってからのことをご紹介します。

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  • S.N.(男・30代後半)
  • マネジメントバイアウトファンドやアセットマネジメント会社などで企業に対する投資・事業の再生などに携わる。
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关于Business Plan课程的中文介绍

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当今国内外市场都面临着激烈的竞争,企业的生存和发展已经变的异常困难。在企业的经营实践中,许多企业领导人都已经意识到要在现在的市场环境中取胜不能仅仅依靠传统的竞争优势,如较高质量,先进技术,低廉价格而应该依靠新的商业模式。商业模式存在于任何一个企业当中。只要这些企业都在经营,就必须存在商业模式。但是,如何构建新的商业模式,或者说如何进行商业模式的创新,怎样才能发挥其在经营中的地位和作用等问题让商业计划变的至关重要。能够发现有意义的课题,准确地构想、策划、起草、实施商业性项目的综合性创造能力,这种人才才是21世纪商务中必不可少的。立教大学大学院的商业设计研究科提倡的社会人研究生院(MBA)的独特性主要体现在培养拥有“事业的构想能力”的真正的综合型人才,也就是培养具备综合型才能的专业人才。必修科目《商业计划》提供创业不可或缺的灵感、知识、经验,丰富多彩的科目有助于提高素养、掌握广泛的专业性前沿知识以及磨炼商业灵感。

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《商业计划》是秋期课程里必修课目之一,此课程有按时间段分为三个班级。学生可以根据自己的时间状况来选择班级,每个班级分为6-7个小组。这门课的课程考核需要以小组的形式共同完成一个商业项目的设计。首先,教授会给出一个企业作为蓝本。然后,学生根据给出的企业的经营状况进行企业分析。最后根据自己的观点为企业提供新的创意设计,来帮助企业经营项目的创新,创造新的商业模式扩大事业范围,让企业具有更好的发展具备更强大的竞争力。

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在这个课程中,每个学生都需要提出自己的商业设计。教授会根据每位学生的设计的理念,来归纳出几个不同理念的领域,并且把每个领域相关的学生进行分组,小组人数一般在2-6人之间。整个设计所需要的流程一般是:课后各小组收集资料后,自行讨论研究,通过讨论的结果再进行商业设计的修改,如此循环。通过反复考察研究后,每个小组需要提交出一份改善公司的最终商业设计提案进行发表。课上每小组成员依次发表,让其他小组的成员和教授进行点评和提问。全部小组发表结束后,教授还会进行总体性的点评;课后,每个学生都需要在主页上提出对其他发表小组的感想和点评,提供给各个小组参考,以便其他小组进行更完善的创意设计案。

留学生因为社会经验不足,在最开始是比较吃力的,通过小组成员的合作努力,从而一步一步完善设计方案。在和社会人交流的过程中可以学到很多学生时代不具备的知识和经验。通过每周针对改善案的讨论和发表的形式,陈述出自己的观点与主见。这对于自己是很大的成长,对今后的就职活动也能起到很大的帮助。尤其这些经验是平时在书本上学不到的,还可以把书本上学到的知识通过实际运用,来更好的理解和复习。“学以致用”这个词完全可以完美释义在此课程上。同时,经过一个学期的学习,在交流的过程中会不知不觉的不断提高自己的交流水平和沟通能力,日语水平也得到了很好的锻炼。甚至如EXCEL,POWER POINT这些软件也能被完美的运用起来。课堂上的每次发表都可以锻炼自己的胆量和勇气。虽然偶尔也会为了赶发表通宵学习。但是,你会发现这样一个充实的学期下来,学到的知识可以得到实际运用,和自我实现之后展现出不同的自我。
  
编辑者简介:
刘潇(女,25岁)
出生地:中国福建省
通过外国人入试于2014年考入立教大学ビジネスデザイン专业


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