消費者行動論1の紹介(2015年度:春学期)

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みなさん、こんにちは。

私は、2015年春学期に開講された瀧澤哲夫先生の「消費者行動論1」についてご紹介していきたいと思います。

■受講のきっかけ
私は、大学を卒業後、航空会社に営業職として入社し、その後、定期路線の経営企画業務に携わってきました。皆さんもご存知かと思いますが、今日の航空業界は、規制緩和の波に押され、LCC(格安航空会社)なども含めた新興航空会社が乱立し、年を追うごとに競争が激化してきているのが現状です。そんな中、生き残っていくには、機材(航空機)の合理化を図ったり、人員の配置を見直したりということも重要な要素ですが、それ以上に、顧客から自社を選んでもらえるようマーケティングを考えるということが重要になってきます。そうした時に、顧客はどういった志向のもとで1つの商品/サービスを選ぶのか、体系的に勉強してみたいと感じ、この授業を履修することとしました。

■授業内容/感想
授業は、前半が受講生による発表、後半が瀧澤先生オリジナルの資料を活用したアカデミックな消費者行動の理論/ケースに関する講義という形式になっていました。

【受講生による発表】
受講生による発表に関しては、「消費者としての自分自身を分析する」ということをテーマにプレゼンが行われました。これは、自分自身が現実の社会で消費生活を営むリアルな消費者であるということをポイントとして、自身の消費行動に関して、授業内容なども踏まえながら分析を行い、その分析の過程と研究結果を発表するというものでした。

具体的には、現在(自分自身が)愛用するアイテムやサービスに関して「どのような経緯・体験で、何に影響されて、どのような機能・便益が気に入って、愛用するようになっているのか」詳細に自己分析をするというものです。これについては、「自分自身の行動を分析するのだから簡単だろう!」と捉えていると痛い目を見ますよ(笑) 

個人的には、利用の経緯や、その背景にある体験、影響された事柄に関して思い出すのは容易だったのですが、「何の便益があって愛用しているのか」考えると、コレといった答えが出てきませんでした。そういった時に、授業内で学んだベットマンモデル(消費者の情報処理プロセスに着目した理論)に当てはめてみたところ、意外なことに、すんなりと「これだ!」という答えに辿りつくことができたのです。

これまで、モデルに当てはめるということは、クリエイティブじゃないとして、毛嫌いしてきた私ですが、改めて理論を学ぶということの重要さを感じた気がします。

また、他の受講生発表を聞くというのも学びの連続でした。特に、面白いと思ったのは、各個が異なる志向を持っているにも関わらず、エクストリームユーザーとして見ると、それぞれ共通する点があったということです。

ちなみに、このエクストリームユーザーは、直訳すると「極端な消費者」となりますが、言ってみれば、そのアイテムやサービスを熱狂的に愛し、他へ発信するアドボケーター的な役割を果たす人ということになります。今後、自身が経営する事務所の事業展開に際して、こういった人の取り込みに力を入れてみたいと気付かされるきっかけになりました。

【瀧澤先生による講義】
先生による講義に関しては、消費者の生活行動に関する分析や、消費行動の変化、情報処理のメカニズム、消費者の知識(情報処理能力)、購入意思決定のプロセス、ブランド理論などについて、モデルやケース、先生の実体験なども含めて紹介が行われました。

その中でも私が面白いと感じたのは、インスタントコーヒーの「NESCAFE」が米国市場において受け入れられていくまでのお話です。「NESCAFE」と言えば、今日では手軽にコーヒーが楽しめるとして、世界中で愛好されているインスタントコーヒーブランドですよね。しかし、1950年代に米国で発売された当初は、市場から受け入れられなかったのだそうです。

その理由は… 当時の米国の生活様式にヒントがあるのだとか。1950年代の米国では、食後、WIFEが入れたコーヒーを楽しむという文化がありました。そんな中、「インスタント」という点を誇張しすぎたことで「NESCAFEを購入すること=なまけている主婦」という考えが先行してしまったのです。

そこで、NESCAFEを販売するNestleは、モチベーションリサーチを行い、NESCAFEの販売不調が、上記のような要因によるものだと気付きます。そういったこともあり、Nestleは、「NESCAFEを使って(家族の)団欒を楽しもう!」というスタイルに広報戦略の転換を図っていきました。その結果、今日まで続く爆発的なヒットに至ったという訳です。

ここから学ぶことは「商品の優位箇所=PRポイント」とは必ずしもならないということですね!このことから、「消費者志向と商品の優位性をいかに合致させていくか考える」ことが重要と感じました。この他にも痺れるような話は沢山ありますので、気になるという人は、ぜひ来年度などに同授業を履修してみることをオススメします!!

■こんな人にオススメ
会社経営をしている方、企業で商品開発などを担当されている方、営業職など消費者と直接関わる業務をされている方、広報など企業価値の向上に関する業務に携わる方、消費者としての自分を見直してみたいという方など…

■備考
この「消費者行動論1」は続きの授業として「消費者行動論2」も開講されています。デザイン思考などに関して知識を深めたいという人は、こちらも併せて受講することをオススメします!!

■レポーター紹介
Ryohei.A(男・20代後半)
  • 航空会社にて、航空機チャーターに関する法人営業、定期路線の経営企画業務等を経験。
  • 2014年に独立し、航空機チャーターに関するコンサルティング業務や、航空機を活用したBCP立案業務、エアラインパイロット養成支援業務等を行うコンサルティング事務所を経営。RBSの飛行機屋を自負しています(笑)
  • 幅広い年齢層の人が揃うという点、職務経験豊かな人が多いという点、留学生の比率が高いという点、ホスピタリティビジネスに関する授業が充実している点に魅力を感じ、入学を決意。
  • 現在は、ゼネラリストのスペシャリストを目指し、幅広く授業を履修。「楽しくなければ仕事じゃないし、楽しくなければ人生じゃない」をキャッチコピーに、仕事とRBS生活を満喫中です!!


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